最近は税金の負担増や、円安とインフレの影響により生活に必要な物の値段の上昇などが急速に進んでいます。日々の生活が苦しくなったと感じる方も多くいらっしゃるでしょう。
特に、子育て世代の将来は負担が増えることはあっても軽くなる見通しは立ちにくい状況です。
そんななかで現在の働き方を見直したい、また将来を見据えたキャリアづくりを考えたいという方におすすめの本をご紹介します。
この記事では、大杉潤の著書「1日1テーマ読むだけでやりたくなる 定年ひとり起業 読みやすい大型判」の書評を通じて、定年ひとり起業の概要とわたしなりの考察をお伝えします。
とりわけ、30代40代の子育て中の主婦の目線で読んで参考になるポイントに注目しています。
こちらを読んでいただくことで、定年後の生活を充実させる方法や、好きなことを副業にして収入を得るためのヒントが見つかります。ぜひ、この記事を参考に新しい一歩を踏み出してください。
定年ひとり起業:大杉潤の書評とその魅力
1-1 大杉潤さんとは?
著者の大杉潤さんは、フリーの研修講師、経営コンサルタント、個人向けコーチなど多くの肩書をお持ちのビジネス書作家です。
ご自身でも多くのビジネス書籍を出版、公式WEBサイト(合同会社ノマド&ブランディング 大杉 潤|定年後も長く働く「トリプルキャリア」)においては膨大な量の書評ブログの投稿やキャリアに関する提案をしておられます。
SNSでの情報発信にも力を入れられており、わたしのイチ推しは音声配信のstand.fm(大杉潤の出版応援ラジオ | stand.fm)です。大杉潤さんのXをフォローしておくと、stand.fmの更新情報をリアルタイムで受け取れます。
コンパクトにまとめられた声のブログともいうべきもので、落ち着いた語り口でながら聴きにもおすすめです。
わたしはひそかに大杉潤さんのファンです!
1-2 この本の概要
「1日1テーマ読むだけでやりたくなる 定年ひとり起業 読みやすい大型判」は、大杉潤さんが2021年から3年連続で出版された「定年ひとり起業」シリーズ3部作を1つにまとめ、かつ新しい情報に更新された1冊です。
人生後半のキャリアを考えるうえで、手元においておきたい指南書ともなり得る本です。
この本は5つの章から構成されています。
- 人生100年時代の幸せな生き方
- 「定年ひとり起業」成功の秘訣はこれだ!
- 定年後の「年金」&「お金」
- 「定年ひとり起業」で勝ち抜く個の力の高め方
- ライフワークは「幸福学」で見つける
1-3 この本のポイント
1.生涯現役のライフスタイルを目指し、人生の幸福度を最大化する
すぐに収入にはならないけど楽しみながら長く続けて、好きなことや得意なことを色々と組み合わせて「戦略的副業」を育てていくことを10年スパンの長期的視点で取り組んでいくことを提案。
また、定年後のライフスタイルを考えるうえで切り離せないのは年金戦略と新NISAを活用した資産形成であると述べられています。
2.「定年ひとり起業5原則」の提唱
- 厚生年金を確保したうえで50〜60代で独立
- 夫婦または自分ひとりで事業を行う
- 初期投資を最小限に抑える
- スモールビジネスからスタートしてストレスなく働く
- 好きなことを仕事に
働き続けるシニアに求められるリスキリングはICT活用である
体力・健康面での制約に左右されず好きな時間・場所で働くことを可能にするために、シニア世代こそパソコンなどを使ったインターネットの活用が重要だと書かれています。
実際に大杉潤さんは55歳でブログを開設し現在まで10年以上にわたって継続されていて、複数のSNSも活用して幅広い情報発信をなさっています。
以上が この本のポイント3つです。
ここからは、この本の考え方をとりいれた30代・40代の主婦の人生後半のキャリアのつくり方について、わたしなりの考察をお話しますね。
30代・40代主婦こそ「定年ひとり起業」を目指すべき理由
ちなみに、余談ですがこちらの「定年ひとり起業」シリーズはすべて大杉潤さんの似顔絵イラストがデザインされていてとても印象的です。
ただ、書店で女性がふと手に取りたくなるようなデザインの別表紙のバージョンがあってもいいなと勝手ながら思っています。
男性に限らず女性にも、また定年間際だけでないもっと広い世代に知ってほしい考え方だからです。
30代・40代の子育て世代こそこの本を読むべきです!
1-1 定年まで充分な時間があること
- 準備期間が長い
定年までの充分な時間を利用して、生涯現役の働き方を実現するためのライフワーク探しができる。 - 失敗を恐れず挑戦できる
若い世代に比べて、30代40代になると家庭のライフイベント(出産、育児、教育資金や住宅購入)にメドが立ち今後の見通しが立てやすい。そのため仕事や生活基盤の安定感がある場合が多く、リスクを取りやすい環境にあること。 - 年金戦略やマネープラン、資産形成には長期的計画が必要なこと
会社に雇われない働き方を目指し、自己啓発を行いキャリアを育てていくことは10年単位の時間がかかります。資産形成についても同様です。
そのため定年を目前にした状態での準備では遅すぎます。30代・40代であれば定年まで充分な時間があるのです。
早く始めるほど、これまでのキャリアの棚卸しをしたり計画的にスキルを身に付けたりすることができます。
1-2 豊富な人生経験を活かせる
- 対人スキル
家庭や地域社会での対人関係を築いてきた経験は、ビジネスでも大いに役立ちます。 - 問題解決能力
家庭や子育てで培った問題解決能力は、起業時の様々な課題に対応する力となります。 - 共感力
同世代や同じ境遇の人々への共感力が高く、ターゲット市場を深く理解することができます。
30代・40代の主婦は、豊富な人生経験を持っています。
たとえば、家庭料理が得意な場合、料理教室を開いたり、レシピ本を出版することも考えられます。
また、子育てや家事の経験を活かして、育児アドバイザーや家事代行サービスを提供することも可能です。
これまでの経験で得た専門性や、好きなこと得意なことは起業において大きな強みとなります。
1-3 家庭と仕事の両立がしやすい
30代・40代は、家庭と仕事の両立を考える必要がありますが、ひとり起業はその点で大きなメリットがあります。
- 柔軟な働き方が可能
自分で働く時間や場所を決められるため、家庭の事情に合わせた働き方ができます。 - 家族のサポートを得やすい
家族の理解や協力を得やすく、仕事と家庭のバランスを取りやすいです。 - 生活スタイルに合わせたビジネスモデル
主婦ならではの視点で、家庭と仕事の両立を前提としたビジネスモデルを考えることができます。 - 正社員として家庭と仕事を両立することは相当な努力が必要
例えば、子供が学校に行っている時間帯に集中して仕事をする、家事の合間に作業を進めるなど、家庭のスケジュールに合わせた柔軟な働き方が可能です。
また、ネットを活用した在宅ビジネスや、地域コミュニティを活かしたサービス業なども、主婦にとって魅力的な選択肢です。
このように、ひとり起業は30代・40代の主婦にとって、家庭と仕事の両立を実現するための有力な手段となります。
また、特に家事育児に大きく時間をあててきた専業主婦・パート主婦にとって正社員として再就職するということは並大抵のことではありません。
働く場所や時間を自分で決められるひとり起業はこれらの主婦にも大いにメリットがあります。
まとめ
この記事では、大杉潤さんの「1日1テーマ読むだけでやりたくなる 定年ひとり起業 読みやすい大型判」の書評を通じて、定年ひとり起業の概要や参考にしたいポイントを解説しました。
定年後に自分のペースで働く自由を得るための具体的な方法や、生き方についての考え方などは、他の大杉潤さんの著作も合わせてお読みいただくとより理解が深まると思います。
こちらは井戸美枝さんの「フリーランス大全」エクスナレッジ刊。
起業にまつわる知っておきたい制度や税金のことなど、実務的なことがわかる1冊です。
イラストも多く概要がしっかり頭に入ります。